商学部の脇田です。
私が担当する「サービス・マーケティング論」について紹介します。
本講義では、サービス業のマーケティングを中心に解説しています。
サービス財にはモノにはないいくつかの特性があり、モノのマーケティングではあまり問題とされなかった特有の問題が生じます。
たとえば、サービスは本質的に形のないもので、その購入に先立ち、事前に見たり、聞いたり、触れたりすることが困難な特性を持っています。
また、生産と消費が同時に行われ、対人サービスなどでは、サービスが提供(生産)される場にその利用者がいなければ消費が成立しません。
さらに、サービスはそれを提供する人、時間、場所、状況などによって影響を受けやすく、その品質がバラつきやすい特徴があります。
サービスはその提供がすめば消滅してしまう一過性の強い商品です。
モノのように何度も繰り返し使用したり、提供されたサービスが不良で期待していたものと違っていても返品、交換したりすることができません(身近な理美容サービスを例にとると、提供されたヘアスタイルが気にいらなかったとしても、元に戻すことは困難です)。
こうした特性をもつサービスのマーケティングでは、「企業」「従業員」「顧客」の間の3つのマーケティング活動が重視されます。
まず、企業と顧客との間で展開されるマーケティング(エクスターナル・マーケティング)です。
これは、通常のマーケティング活動と同じです。 つぎに、企業と従業員(接客員)との間において展開されるインターナル・マーケティングです。
サービスの直接の提供者である従業員が顧客に対して良好なパフォーマンスを発揮できるようにその能力を引き出すよう働きかけるものです。
最後に、従業員と顧客の間のインタラクティブ・マーケティングです。サービスの質や顧客満足は、この間の相互作用によって大きく左右されます。
サービス・マーケティングでは、これら3つの活動をうまく機能させ優れたマーケティングを展開することが求められます。