会計と金融はともにお力ネの流れとそのリスクを研究対象とします。
会計は、企業などの経済主体の経済活動を会計情軌こ変換し、利害関係者に伝達する社会システムです。投資者、株主および債権者といった企業の利害関係者は、会計というシステムないし行為を通じて生み出される情報に基づいてリスクを判断し、自らの行動に関する意思決定をします。また、企業内部の経営者や管理者などもこれらの情報に基づいて、経営戦略を立案したり、資金調達を行ったりします。 |
金融は、お力ネが十分にあるところから不足しているところにお力ネを融通(ファイナンス)することです。例えば、企業は、資金を調達するときに株式を発行して直接市場から資金を調達するか(直接金融)、あるいは、銀行が預金として集めた資金からの借り入れによるか(間接金融)という選択を行います。その際に、会計から生み出される情報が必要不可欠になります。こうしたことから金融と会計は密接に関連しています。 |
例えばソニーでは、ソニーグループを形成し自社製品の製造・販売などを行っていますが、最近ではその中に銀行、生命保険会社および損害保険会社などの金融機関が含まれています。企業が持続的に発展していくためには、資金が不足しないように、また余っているときはそれを使って利益を稼得できるように、企業グループとしての戦略を立てる必要があるわけです。その際に、会計情報によって自社の資金が不足しているか、余っているかを判断し、銀行から資金調達をするかそれとも投資をして利益を稼得するかの選択が行われます。ソニーグループのように、一般企業による金融機関を含めたグループ形成の動向はトヨタなどにもみられます。従来から、企業と金融機関の関係は「メインバンク制」と呼ばれるほど、密接な関係にあります。間接金融から直接金融へと変化しつつある経済社会においては、企業は、会計と金融の双方の役割を重視するようになっています。
このような観点から、商学部では、時代の要請に見合った人材を養成するために会計・金融コースを設定し、学生諸君が社会で活躍できる基礎を形成します。
このような目的を達成するために、会計・金融コースでの科目の履修については、3つの方法を用意しています。
(1) 会計関連科目を集中的に修得し、公認会計士や税理士といった会計プロフェッションや企業におけるアカウンティング・エキスパートとなるような知識を獲得する方法 |
(2) 金融関連科目を集中的に修得し、銀行、信用金庫、証券会社、投資顧問会社および保険会社といった金融機関での金融スペシャリストを目指す方法 |
(3) 会計と金融の双方の関連科目のうち、初級レベルおよび中級レベルの科目を中心に修得し、いわば会計と金融のゼネラリストとしてメーカー、商社などへの就職を目指す方法 |