2022年度は、下記の研究報告会を開催いたしました。
第1回研究報告会
橋本先生は昨年度赴任され、本来ならば昨年度に新任者報告会が開催される予定でしたが、コロナ禍における感染防止の観点から延期され、今回の開催となりました。
日時 | 2022年6月15日(水)16時30分~17時15分 |
場所 | アガルスタワー10階 会議室1,2 |
報告 | 橋本 理博 准教授 『アムステルダム銀行における受領証の実験(1656-1674年)』 本報告の目的は、アムステルダム銀行によって1683年以降に発行された預金受領証の「銀行券」としての性格を確認し、さらに1656~1674年にかけて同行により実施された、受領証の発行実験の概要を示すことにある。まず、アムステルダム銀行の預金受領証は、同行の借用証書としての性格を有しており、それを用いれば、銀行に口座を保有しない者に対しても口座保有者による支払いが可能となるよう機能していたことを確認する。そして、預金受領証が正式導入される以前に実験的に発行されていた証書の文面や実施の背景を検討し、この実験的受領証が、同行の設立以来の課題であった、口座を持たぬ者への支払いを可能にするための方策の一つであったことを示す。 |
第2回研究報告会
李先生は昨年度に赴任されましたが、橋本先生と同様の理由で今回の新任者報告会の開催となりました。
日時 | 2022年6月15日(水)17時25分~18時10分 |
場所 | アガルスタワー10階 会議室1,2 |
報告 | 李 素煕 講師 『日系外食企業のネットワークと国際化戦略』 本研究では、外食国際化研究の理論的貢献を図るその一歩として成り立たせることを一つのねらいとし、外食国際化を捉えるにあたって、既存のファクター(オペレーション・システム)に加え、既存研究の主体特性と国際化行動の関連付けの弱さに着目し、「主体特性」という新しいファクターを取り入れ、外食国際化を分析するフレームを捉え直すことを試みた。また、主体特性ごとにどのような関連産業とのネットワークが形成され、それらネットワークが形成される様相を明らかにし、主体特性の多様性と関連産業との関係性(ネットワーク)から導かれる主体ごとの戦略的課題を提示した。 |
第3回研究報告会
本年度赴任されました伊藤聡志先生の新任者報告会が開催されました。
日時 | 2022年11月16日(水)16時30分~17時10分 |
場所 | アガルスタワー10階 会議室1,2 |
報告 | 伊藤 聡志 講師 『個人情報の識別リスク評価に基づいた匿名化に関する研究』 匿名化は、個人が識別されることを防ぐために個人情報を加工する技術である。個人データの安全性を評価する指標としてk-concealmentが提案されており、この指標を満たすようにデータを加工することによって、全ての個人が他のk-1人の個人と区別がつかないことが保証される。この指標を満たすようにデータを加工するためには、個人を点、個人間の類似度を辺とみなした二部グラフを加工の設計図として作成し、そのグラフ内で辺の重複しないk種類の完全マッチングを探す必要がある。本研究では、これを解決するためにクラスタリングや巡回セールスマン問題の解法などを応用した3つの手法を提案し、位置情報データや世帯収入データを加工する実験を行うことによってそれらの性能を評価する。 |