今回ご紹介する商学部の専門科目は「商学特論X」です。
この科目は豊田信用金庫連携講座として開講されており、 毎回同金庫の職員の方々に講義を行って頂いています。
信用金庫は、銀行とほぼ同じ機能を果たす金融機関ですが、 信用金庫と銀行とでは経営理念や顧客の範囲に違いがあります。
銀行は株式会社であり、株主の利益を最大にすることが目的です。
また、誰からも預金を受け入れ、誰にでも融資を行うことができます。
一方、信用金庫は協同組織であり、営利を目的としません。
預金は誰からも受け入れますが、融資は原則として会員に限定されます。
営業地域も限定され、会員になる資格を持つのはその地域の中小企業や住民などです。
つまり、信用金庫は、 所在する地域の人々を支える「地域のための金融機関」だと言えるのです。
また近年では、信用金庫などの地域金融機関には、 金融以外の側面から顧客を支援する役割も期待されています。
例えば、企業が求める人材を紹介したり、企業の跡継ぎ問題の解決を支援したり、企業の扱う商品の買い手を探したりといった役割です。
もし仮に、地元中小企業の業績が低迷したり、廃業が相次いだりすれば、その地域の経済に悪影響が及ぶでしょう。
地域経済や地元企業の特徴をよく知る地域金融機関が、 顧客の事業性を理解して長期的な支援を行うこと(事業性評価といいます)は、 地域の活性化に必要不可欠なことなのです。
本講義では、信用金庫職員の方々から、 金融機関の各部門における業務内容、中小企業の財務分析や事業性評価のあり方、 地域金融機関の現状と課題、将来の展望などついて学びます。
本講義を学べば、地域金融機関が果たす役割や、 地域金融機関における仕事の内容についての理解が深まります。
また、個々人の金融リテラシーを高めることにも役立つはずです。
ぜひ共に学びましょう。
(商学部・橋本)