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カテゴリー
月別アーカイブ: 7月 2021
商学部の専門科目紹介:ビジネス情報論B
こんにちは。商学部の教員の李素煕です。
今回は商学部の専門科目「ビジネス情報論B」について紹介します。
ビジネス情報論Bという科目は、スマートフォンやタブレット端末、ソーシャルメディアなどの普及といったICT(情報通信技術)の発展が小売経営に及ぼす影響に注目しながら、小売企業における顧客戦略について学ぶ科目です。
ICTの急速な進化は、私たちのライフスタイルの幅広い場面に変化をもたらしています。
中でも、買い物の場面について考えてみますと、下記のような行動を取ることが増えているように感じます。
例えば、実店舗(オフライン)で商品の色やサイズなどをチェックした後、その場で購入するのではなく、チェックした商品をスマートフォンのアプリを使って注文をして、商品を家まで届けてもらうといった買い物パターンがあります。
または、ECサイト(オンライン)で気に入りの商品の価格や機能、レビューなどの商品情報を検索・収集した後、実店舗に訪れ、店員からさらに詳しい説明を受け、実店舗で購入するといった買い物パターンがあります。
前者のように、実店舗で商品情報を収集し、ECサイトで購入する消費行動をショールーミング(showrooming)といい、後者のように、ECサイトで情報を収集し、実際には実店舗で購入することをウェブルーミング(webrooming)といい、これらの消費行動が常態化しつつあります。
マーケティングでは、このような、オンラインとオフラインの店舗を統合し、消費者にシームレスな買物経験を提供する顧客戦略のことをオムニチャネル(omni-channel)と言いまして、近年、小売業界では、オフラインの店舗事業とオンラインのEC事業それぞれの顧客データを統合的に管理して、顧客関係管理の精度を上げ、より有効な販促活動を展開したり、その効率化を図ったりすることが求められるようになっています。
ビジネス情報論Bの講義では、上記のような日頃の買物行動を踏まえながら、店舗とECのチャネルを統合的に管理する戦略としてのオムニチャネル戦略について詳しく学んでもらいます。
商学部の専門科目紹介:消費者行動論
こんにちは。商学部ウェブサイトへようこそ。
商学部教員の秋本昌士です。
今回は私が担当する「消費者行動論」という科目をご紹介します。
商学部には流通・マーケティング系の専任の先生が8名も在籍しており、この数は中部地方+三重県で最多です。
したがって、流通・マーケティング系科目がとても充実しています。
マーケティングに興味がある受験生の皆さん、中部地方+三重No.1の商学部で学びませんか。
商学部の数あるマーケティング系科目の1つが消費者行動論です。
消費者行動論は、消費者の心理や行動の本質を解明し、マーケティング実務に役立てることを目的とする学問領域です。
この講義での学習内容を少しだけお話ししましょう。
仮にあなたが次のような状況にあるとします。
・新車の購入を検討している。
・車選びでは「燃費」と「デザインのカッコよさ」を重視している。
・購入の候補となる車とそれぞれの評価は次のとおり。
A:燃費9点・デザイン1点(つまり、燃費はいいがカッコ悪い)
B:燃費5点・デザイン5点(つまり、燃費もデザインもそこそこ)
C:燃費1点・デザイン9点(つまり、燃費は悪いがカッコいい)
3種類とも「燃費」と「デザインのカッコよさ」の合計得点は10点で等しくなっています。
ある研究では、これらの選択肢のうち中間的なBが最も選ばれやすいことが明らかになりました。
このように、消費者はいくつかの商品の選択に迷ったとき、「偏った」商品よりも「中間的な」商品を選択する傾向にある、と言われています。
この現象を「妥協効果」といいます。
消費者行動論の講義では、こういった研究結果を踏まえたマーケティング戦略を詳しく紹介します。
本当におもしろいですよ。
実際に受講した多くの学生が「おもしろかった」、「将来、マーケティング実務に役立てたい」と言ってくれます。
皆さんも、ぜひ商学部に入学して消費者行動論を受講してください。
マーケティングが好きな人、商学部で待っています!
商学部の専門科目紹介:小売経営論
今回は商学部の専門科目「小売経営論」について紹介します。
小売経営論という科目は、流通・マーケティング領域に属する科目で、小売業の経営にかかわる経済現象と理論を取り上げます。
春学期は小売業者の社会的役割、秋学期は小売業者の戦略的意思決定に焦点を当てています。
今年度は、日本におけるスーパーマーケットの成立を通して、以上の事柄を講じています。
最近小売業者の社会的役割を示す興味深い本を読みました。
飯田結太著『浅草かっぱ橋商店街リアル店舗の奇蹟』(プレジデント社)です。
実家の料理道具専門店「飯田屋」を継いだ6代目社長の失敗から繁盛までの奮闘が描かれています。
その本でつぎのような説明が登場します。
全国各地のみならず海外各地からも顧客を集める飯田屋が求めているのは、販売に長けたプロの販売員ではなく、一消費者として顧客の事情に寄り添えるプロの消費者であると。
販売技術の巧みな店員が顧客対応すると売り上げは向上するが顧客が満足しているようには思えない。
本当に顧客に満足してもらうには、顧客である消費者と同じ目線で商品を見ることができる店員のほうが向いていると。
日々の生活の中で自分自身が困っていることを顧客と共有・共感し、解決策を探ることができる店員が重要。
だから、飯田屋の店員は説明するばかりで売ろうとはしないという評判を聞いて社長はニヤニヤしたと。
小売業者の社会的役割で最も重要なのは、消費者に対して購買代理人としての役割を果たすことです。
顧客である消費者に成り代わって、消費生活のために本当に必要な良好な商品を選び、それを消費者が円滑に入手できるように工夫することです。
そのために小売業者はプロであるべきですが、消費者の立場を理解するプロでなければなりません。
飯田屋は繁盛店として小売業界に名をはせていますが、消費者の購買代理人としての社会的役割を徹底して実践していることがそれにつながっていると、この本は教えてくれました。
授業では、様々な事例を用いて小売業者の社会的役割を講じています。