こんにちは。商学部の教員の李素煕です。
今回は商学部の専門科目「ビジネス情報論B」について紹介します。
ビジネス情報論Bという科目は、スマートフォンやタブレット端末、ソーシャルメディアなどの普及といったICT(情報通信技術)の発展が小売経営に及ぼす影響に注目しながら、小売企業における顧客戦略について学ぶ科目です。
ICTの急速な進化は、私たちのライフスタイルの幅広い場面に変化をもたらしています。
中でも、買い物の場面について考えてみますと、下記のような行動を取ることが増えているように感じます。
例えば、実店舗(オフライン)で商品の色やサイズなどをチェックした後、その場で購入するのではなく、チェックした商品をスマートフォンのアプリを使って注文をして、商品を家まで届けてもらうといった買い物パターンがあります。
または、ECサイト(オンライン)で気に入りの商品の価格や機能、レビューなどの商品情報を検索・収集した後、実店舗に訪れ、店員からさらに詳しい説明を受け、実店舗で購入するといった買い物パターンがあります。
前者のように、実店舗で商品情報を収集し、ECサイトで購入する消費行動をショールーミング(showrooming)といい、後者のように、ECサイトで情報を収集し、実際には実店舗で購入することをウェブルーミング(webrooming)といい、これらの消費行動が常態化しつつあります。
マーケティングでは、このような、オンラインとオフラインの店舗を統合し、消費者にシームレスな買物経験を提供する顧客戦略のことをオムニチャネル(omni-channel)と言いまして、近年、小売業界では、オフラインの店舗事業とオンラインのEC事業それぞれの顧客データを統合的に管理して、顧客関係管理の精度を上げ、より有効な販促活動を展開したり、その効率化を図ったりすることが求められるようになっています。
ビジネス情報論Bの講義では、上記のような日頃の買物行動を踏まえながら、店舗とECのチャネルを統合的に管理する戦略としてのオムニチャネル戦略について詳しく学んでもらいます。