| お知らせ | 愛知学院大学 商学部

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お知らせ

新入生の皆さんへ(学部長挨拶)

新入生の皆さんの入学をお祝いいたします。新型コロナウイルス感染拡大防止のため、今年度は入学式を挙行できません。皆さんは大学生活のスタートを彩る式典に参加できず、残念な気持ちでいっぱいだと思います。いつもは、入学式当日に、皆さんに加え保護者の方々を前に、学部長挨拶を行うのですが、今年度はそれが叶いませんので、その代わりに、ここに挨拶文を掲載いたします。ここでは、皆さんにどのように学生生活を送って欲しいのか、私なりの考えを述べて挨拶といたします。

まず、皆さんが生まれた年に思いをはせてください。皆さんのほとんどは2001年前後に生まれたと思います。2001年はどういう年だったのか少し振り返ってみます。

この年、アメリカにおいて同時多発テロが起きました。ニューヨークの世界貿易センタービルに飛行機が衝突して、ビルが崩れ去りました。それに対して、アメリカ軍はアフガニスタンに侵攻しました。

日本においては、この年、中央省庁再編が行われました。その結果、厚生労働省や国土交通省などが生まれました。また、小泉純一郎さんが首相になり、小泉政権による「聖域なき構造改革」が日本中で話題になり、流行語にさえなりました。

経済面では、大阪にUSJが誕生しました。さらに東京ディズニーランドにディズニーシーが併設されました、本格的なテーマパーク競争時代が到来しました。ブロードバンドという言葉が登場し、ヤフーなどが有線による高速通信サービスを提供しました。本格的なネットビジネスの時代を迎えました。また、JR東日本が電子マネーSUICAを導入し、ようやく電子マネーの普及が始まりました。雇用面では、求人倍率は0.6程度と低くて、就職活動に苦労する学生が多く、就職氷河期という言葉が頻繁に使われました。

愛知学院大学商学部がこの年どういう状況にあったかというと、キャンパスは日進市にあり、商学科と産業情報学科の2学科体制、1学年の定員は550名でした。

あれから20年近く経ち、私たちの生活はどうなったでしょうか? 2001年当時インターネットはまだ特別な存在で、パソコンを利用して有線で接続していましたが、今ではスマートフォンが普及し、スマートフォンを使って無線で接続して、ゲームをしたり、買い物をしたり、メールを送受信したりするようになりました。電子マネーは今や当たり前の存在になり、バーコード決済など新種のキャッシュレス決済も私たちは活用しています。

この商学部をとりまく環境はどうなったでしょうか? 日進キャンパスから全面的に名城公園キャンパスに移転しました。この4月から全ての商学部学生が名城公園キャンパスで学ぶことになりました。現在学科は商学科1学科のみ。1学年の定員は250名です。キャンパス、学科、カリキュラム、定員など全く変わってしまっています。

こういう状況を踏まえて、新入生の皆さんがこの先4年間何をすべきなのか。これから皆さんが生きていく世界は、これまでと同様かこれまで以上に変化が激しいと考えてください。したがって、激しい変化に対応できる人材にならないと職業人として生き残っていくことは難しいでしょう。大学在籍中、変化に対応できる力の基盤を作り上げてください。

そのためには、どうすればよいのでしょうか?

大学には、中学や高校あるいは専門学校とは違う、際立った特長があります。それは、教育と研究が一体化している点です。研究とは、未知の事柄に対して、自分なりに答えを見つけ出す努力を指します。そのため、まず世の中で解明されていない事柄や現状の問題を見つけ出す必要があります。つぎに、それに対して、解決案の導出に向けて試行錯誤することが求められます。大学では、教員がリードして、この営みに学生を巻き込んで教育を進めるのです。教員が定まった答えを伝授し、それを学生に覚えこませることは大学教育の本質とはいえません。

皆さんは、拙いながらもその研究に積極的に取り組んでいくことによって、変化適応力の基盤が形成されます。変化の激しい時代、とくに経済においては、定まった答えなど存続しえません。答えはすぐさま古びてしまいます。したがって、自分なりに問題を見つけ出して、解決案を考察しなければならないのです。大学において、研究に巻き込まれれば、自分なりに問題を見つけ出して、解決案をひねり出すために試行錯誤する習性が身につきます。これこそが変化に対応できる力の基盤なのです。商学部では演習と呼ばれる科目を中心に、学生を研究に巻き込む教育が展開されています。例えば、なぜ今日本では人手不足なのに賃金が上がらないのか、どうすればアマゾンに対抗して小売店は生き残っていけるのか、このような疑問に自分なりに答えを出してください。

また、幅広い教養を身につけことも心がけてください。この先どのような分野が社会の主流になるのか、だれにも予想できません。どんな知識が将来重視されるのか確実な予想は存在しません。したがって、どんなことにも対応できるように、知識の引き出しを少しでも多く持つ必要があります。これもまた変化適応力の基盤なのです。

商学部長 青木 均

 

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