流通論を担当している青木です。
この科目は商学部の基礎科目で必修となっています。
私の他、岡野准教授と李講師が担当しています。
3クラス統一の教科書を使い、クラス間で講義内容を調整して講義を展開しています。
3名を代表してこの科目の概要を説明します。
流通というのは、生産と消費の間の隔たりを橋渡しする経済活動のことをいいます。
生産する人と消費する人、生産場所と消費場所、生産する時と消費する時などが異なることは、例えば我々が普段よく買っているコンビニエンスストアのおにぎりを振り返ってみればよく分かります。
生産と消費が隔たったままであると、せっかく生産したモノが消費されないことになります。そこで流通の登場ということになります。
これらの隔たりは、社会的分業が起きて、人々の仕事が専門化したため生じました。
効率を求めて人は1つ(あるいは少数)の仕事を専門的に行うようになったため、生活に必要な物資やサービスのほとんどを他の誰かから手に入れなければならなくなったのです。
したがって、隔たりの中で最も重要なものが人の隔たり(生産者と消費者が異なる)ということになります。
この人の隔たりを解消するため人々が関わっているのが売買活動です。
生産者が生産したモノは生産者の所有物です。
それを消費者に譲らないと消費者はモノを消費できません。
消費者はそれを譲ってもらった見返りに代金を払います。
この売買活動を中核として流通活動が営まれます。
生産者が譲ったモノは生産地から消費地まで運ばれます。
生産した時から消費する時までモノは保管されます。
消費者が代金を払ったらそれを生産者が受け取ります。
生産者と消費者はお互いのことを知らないため、様々なメディアを通じてお互いに情報をやり取りして売買活動をうまく進行させるべく努力します。
また、輸送や保管中にモノが破損する可能性があるため、それに備えて保険を掛けることが行われます。
これらの活動はすべて流通活動に含まれます。
流通活動に携わっているのは、生産者と消費者だけではありません。
卸売業者と小売業者(両方合わせて商業者という)が生産者と消費者の間に立っています。
商業者は流通の中心的な存在です。
実際私たち消費者はほとんどの生活物資を小売業者から買っています。
また、モノを運ぶ運送会社、決済や金銭の融通を手掛ける銀行やクレジット会社、情報伝達を手掛けるテレビ局やソーシャル・メディア、保険を引き受ける保険会社などが流通活動の一部に携わっています。
流通論では以上の流通活動やこれに携わる組織を扱います。
講義内容は、流通・マーケティングコースのみならず、会計・金融コース、ビジネス情報コースの教科の基礎になります。
したがって、1年次の必修科目になっています。