今回は商学部の専門科目、流通政策について紹介します。
わが国では1980年代以降、規制緩和(規制改革)が本格的に取り組まれるようになりました。
規制緩和とは、企業の経済活動に対する政府のさまざまな規制を廃止・緩和することです。
その目的は、市場における企業間の競争を促進し、企業の経済活動を活性化するためです。
この規制緩和は流通分野でも積極的に行われ、これらに大きな変化をもたらしました。
一例を挙げれば、中小規模の小売業者を守るためにスーパーなど大型店の出店を制限する大規模小売店舗法という法律が緩和・廃止されましたが、この結果、各地で大型店の加速度的な出店や商店街の衰退をもたらしました。
医薬品流通における規制緩和は、薬局だけでなく、コンビニエンスストアやインターネット通販など多様な小売業者で市販薬が購入できるようになるという変化をもたらしました。
流通分野における規制緩和の進展により、消費者は,良質な商品を低価格かつ高サービスで入手することができるようになり、あるいは買物の利便性を享受することができるようになりました。
しかし、商店街のシャッター化などにより買い物が不便になる人々も生まれました。
小売業者にとっても事業が成長する機会を得ることになった反面、小売業者間の競争激化にさらされるようになりました。
この授業では、このように流通に大きな影響力を持つ流通政策について、その概要や競争政策(市場における競争を維持・促進する政策)、振興政策(中小流通業者の事業活動を支援する政策)、商業まちづくり政策(中心市街地において商業を含む街づくりを促進する政策)などに焦点を当てて、1年間を通して学びます。
皆さんが将来メーカーや流通企業に就職し、日々のビジネスを行う際に、流通政策の適用を受ける場面も多いです。
これらの企業でビジネスを行いたいと考えている方は、ぜひこの授業を履修してみてください。